2020-08-17 星 「おいで」 と云われて招かれた先は 見たこともない妙齢の男性の 居心地の悪い膝の上だった だれなんだろう?とおもった 名前も分からない彼は天井を指差し、ゆっくり言葉を続けた 「お母さんはね、星になったんだよ。だから、夜になったら空を見上げてごらん」 いみはひとつもりかいできなかった でも、あの瞬間 ●年前の母の通夜 彼の言葉は今でも思い出せる 誰か分かる人達の言葉は何も残っていない 彼の言葉だけが今でも私の中に在るのだ