微睡日記

日々

「おいで」

と云われて招かれた先は

見たこともない妙齢の男性の

居心地の悪い膝の上だった

 

だれなんだろう?とおもった

 

名前も分からない彼は天井を指差し、ゆっくり言葉を続けた

 

「お母さんはね、星になったんだよ。だから、夜になったら空を見上げてごらん」

 

いみはひとつもりかいできなかった

 

でも、あの瞬間

●年前の母の通夜

彼の言葉は今でも思い出せる

誰か分かる人達の言葉は何も残っていない

彼の言葉だけが今でも私の中に在るのだ